【2026年】国交省の不動産AI実証実験とは?
重説AIの対象サービスを解説

公開日:2026年8月18日

対象:売買仲介・賃貸仲介・宅建士

不動産AI実証事業で契約関連書類の確認方法を検討する担当者
国交省の実証では、AI導入前後の業務時間や精度、現場運用上の課題が検証されます。

国交省と株式会社NTTデータ経営研究所が進める「不動産分野におけるAI活用に関する実証事業」は、重説AIを検討する不動産会社にとって重要な動きです。対象は、重要事項説明書、売買契約書、賃貸借契約書、媒介契約書などの契約関連書類です。

とくに売買仲介では、登記、図面、役所調査、法令上の制限、契約条件を横断して確認するため、AIで下書きを速く作るだけでは不十分です。実務では、根拠を追えること、確認者がレビューしやすいこと、宅建士の責任を前提に記録を残せることが重要になります。

本記事では、内閣府・国交省・全日本不動産協会などの公開情報をもとに、実証の目的、スケジュール、募集時に案内された対象サービス、売買向けにAi-Smart重説を検討すべき理由を整理します。

この記事の結論

  • 国交省のAI実証は、契約関連書類の作成支援にAIを使ったときの効果と課題を測る取り組みです。
  • 全日などの団体告知では、実証期間は2026年7月頃から9月末、参加する不動産事業者の採択予定数は約100社とされています。
  • 売買向けは、作成速度よりも「調査情報、根拠確認、整合性チェック、レビュー体制」をまとめて見たほうが失敗しにくくなります。

国交省のAI実証実験とは

正式名称
不動産分野におけるAI活用に関する実証事業
実施主体
国土交通省、株式会社NTTデータ経営研究所
実証期間
2026年7月頃から2026年9月末までの予定
参加事業者
約100社を採択予定(募集時資料)
対象書類
重要事項説明書、売買契約書、賃貸借契約書、媒介契約書

全日本不動産協会が掲載した国交省の事務連絡では、国交省が株式会社NTTデータ経営研究所と協働し、「不動産分野におけるAI活用に関する実証事業」を実施するとされています。目的は、AI活用による不動産事業者の生産性向上、消費者等の利便向上、実務上・制度上の課題を検証することです。

募集対象は、重要事項説明書、売買契約書、賃貸借契約書、媒介契約書のいずれかを主業務で作成している不動産事業者です。実証では、参加事業者の実際の書類作成業務にAIサービスを導入し、導入前後の業務時間や精度についてヒアリング・アンケートで確認する流れになっています。

なぜ重説AIが実証対象になったのか

オンライン化の次に、書類作成そのものが残った

2022年5月18日の改正宅建業法施行後、重要事項説明書等の書面電子化とIT重説は実務に入りました。一方で、重説や契約書を作る前段階には、資料収集、転記、確認、差し戻しが残っています。

規制改革実施計画でもAI活用が論点になった

内閣府の規制改革実施計画では、重要事項説明に必要な書類作成、説明内容の読み上げ、説明内容の要約・補足などの場面で、AI技術を用いたサービスの具体例や活用方法、前提条件、留意点を整理し、マニュアル等へ反映する方向が示されています。

国交省通知は「AIに任せてよい」ではなく「補助ツールとして使う」

2026年3月31日の国不動第614号通知は、購入者等の利益保護を前提に、適切なデジタル・AI補助ツールを活用する考え方を整理したものです。重要事項説明を宅建士が責任を持って行う原則は変わりません。

対象業務と確認される項目

実証の中心は、AIを使うことで契約関連書類の作成業務がどこまで速く、正確に、現場で使える形になるかです。売買仲介では、単純な書式入力よりも、資料同士の整合性や根拠確認のほうが重要になります。

  • 業務時間

    効果測定
    見るべきこと
    AI導入前後で、重説・契約書・媒介契約書の作成時間がどれだけ短くなるか。
    売買での論点
    物件調査、役所情報、登記、図面の読み取りまで含めた実作業時間で見る。
  • 精度と手戻り

    品質
    見るべきこと
    転記ミス、記載漏れ、資料間の不整合、確認者からの差し戻しが減るか。
    売買での論点
    接道、私道、境界、法令上の制限など、取引リスクが大きい項目を人が追えるか。
  • 現場定着

    運用
    見るべきこと
    担当者が普段の書式・確認手順の中で無理なく使えるか。
    売買での論点
    作成者、確認者、宅建士、管理者のレビュー分担をツールに乗せられるか。
  • 制度上の課題

    ルール
    見るべきこと
    AI活用時の前提条件、留意点、記録の残し方を今後のマニュアル整備へつなげられるか。
    売買での論点
    宅建士の責任を前提に、AIの出力根拠と最終確認の履歴を残せるか。

国交省の公開資料では、現時点で「契約関連書類の作成」欄は主にAPI連携や一部自動入力として整理されています。一方で、生成AIを活用した取引支援サービスは存在が確認されており、効果等はさらに検証が必要とされています。

公開申込フォームに掲載された4つのAIサービス

募集時の公開申込フォームには、利用希望を回答する対象として6サービスが掲載されていました。本記事では、そのうちAIによる契約関連書類の作成・レビューを中核とする4サービスを紹介します。

検索では「採択サービス」と表現されることがありますが、フォームへの掲載は国交省による製品認定、推奨、性能保証ではありません。また、残る2サービスとしてGOGEN「レリーズ」とPICK「PICKFORM」も掲載されていました。

株式会社Paradis

Ai-Smart重説

公開申込フォームの選択肢/当社が対象サービス選定を公表

売買・賃貸の重要事項説明書、契約書下書き、役所調査情報の整理、根拠確認、レビューまでをまとめて支援するAI重説SaaSです。

  • 賃貸・売買・収益物件の書類作成を支援
  • 原資料の参照箇所へ戻って確認
  • 役所調査からレビュー・承認まで連携

AI Cro'style

株式会社InterLink Guild

公開申込フォームの選択肢/提供事業者選定を公表

賃貸仲介・管理向けに、登記簿や物件情報などから重説・契約書類等の作成を支援するAI SaaSです。

公式情報を見る

LegalOn AIレビュー

株式会社LegalOn Technologies

公開申込フォームの選択肢(契約レビュー)

契約書のリスク確認、修正文案の提示、自社基準を使ったレビューなどを支援する法務特化型AIサービスです。

公式情報を見る

LeCHECK

株式会社リセ

公開申込フォームの選択肢(契約レビュー)

専門弁護士監修の基準で契約書のリスクや欠落条項を可視化し、参考条文や自社ひな型との比較を支援するAI契約書レビューサービスです。

公式情報を見る

サービスの役割は異なります。重説や契約関連書類の下書き作成を支援する製品と、作成済み契約書の法務レビューを支援する製品を、同じ評価軸だけで比較しないことが重要です。

実証後も現場で使い続けるなら、Ai-Smart重説

Ai-Smart重説の入力画面と書類プレビュー
Ai-Smart重説

Ai-Smart重説は、実証のためだけのツールではありません。売買仲介で重くなりやすい役所調査、登記・図面の読み取り、重説・売買契約書の下書き、根拠を見ながらのレビュー、承認まで一気通貫で支援します。

導入社数

75社以上

累計作成件数

12,000件以上

作成時間

最短10分

  • 国交省「AIを含むデジタルサービスに関する実証事業」の対象サービスとして当社が公表
  • 賃貸・売買・収益物件で、重説と契約書の作成業務を支援
  • 登記・図面・管理規約・役所調査情報の根拠へ戻って確認
  • 自社書式、テンプレート、レビュー・承認フローに合わせて運用
売買向けの導入を相談する

導入前に確認したいこと

国交省のAI実証実験をきっかけにツールを検討するなら、フォーム掲載やリリース文言だけで判断せず、実務に入れたときの確認負荷まで見ます。

  1. 1

    売買の資料に強いか

    登記、図面、管理規約、役所調査情報、ハザード、契約条件を横断して扱えるか。

  2. 2

    根拠へ戻れるか

    AIが出した項目について、参照した資料や該当箇所を人が確認できるか。

  3. 3

    整合性チェックができるか

    重説、売買契約書、物件資料、調査結果の面積・日付・金額・特約が食い違っていないかを見られるか。

  4. 4

    宅建士の最終確認を前提にできるか

    AI出力を確定扱いせず、レビュー、差し戻し、承認、履歴を残せるか。

  5. 5

    既存書式に合わせられるか

    全宅・全日系の書式、自社フォーマット、社内テンプレートに合わせて出力できるか。

よくある質問

Q. 国交省のAI実証実験は、AI重説を正式認定する制度ですか?

A. 公開資料で確認できる範囲では、個別サービスを法的に認定する制度ではありません。AIサービスを実際の書類作成業務で使い、業務時間や精度、実務上・制度上の課題を検証する取り組みです。

Q. 実証事業では、どのAIサービスが案内されていましたか?

A. 公開された参加申込フォームには6サービスが掲載されていました。本記事では、そのうちAIによる契約関連書類の作成・レビューを中核とするAi-Smart重説、AI Cro'style、LegalOnのAIレビュー、LeCHECKを紹介しています。掲載は国交省による推奨や性能保証を意味しません。

Q. IT重説と、AIによる重説作成支援は同じものですか?

A. 異なります。IT重説はオンラインで重要事項説明を行う方法で、AIによる作成支援は説明前の書類作成・確認を補助する仕組みです。AIを使っても、宅建士による最終確認と説明責任は変わりません。

Q. 実証事業に参加していない会社でも、AI重説ツールは使えますか?

A. 利用自体は各サービスの契約条件や社内運用次第です。ただし、重要事項説明は宅建士が責任を持って行う業務であり、AIの出力を根拠資料と照合して確認する体制が必要です。

Q. 売買仲介でAI重説ツールを選ぶなら、何を優先すべきですか?

A. 作成速度だけでなく、登記・図面・役所調査情報・契約条件を横断して確認できること、根拠を見ながらレビューできること、自社書式や承認フローに合わせられることを優先すべきです。

Q. 実証事業の結果はもう公表されていますか?

A. 2026年8月18日時点で、実証全体の効果測定結果やマニュアルは公表されていません。内閣府の規制改革実施計画では、AI活用の具体例、前提条件、留意点を整理し、マニュアル等へ反映・公表する方針が示されています。

一次情報・参考資料